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リバランスとは?リバランスを行う必要性や
具体的なやり方を解説します

「資産運用ではリバランスが重要」というような言葉を聞いたことはありませんか?
リバランスとは、その名の通りバランスを取り直すことを指します。ではなぜ資産運用でリバランスが重要なのでしょうか。

この記事では資産運用におけるリバランスの意味や役割を図解付きで解説し、実際にどのように行うのかをご案内します。
リバランスについてお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

公開日:

更新日:2023.06.19

「リバランス」の前に「ポートフォリオ」を理解しよう

リバランスについてご案内する前に、「ポートフォリオ」について確認しておきましょう。なぜ先におさらいしておくのかというと、リバランスはポートフォリオ運用を行う際に必要になるものだからです。言い換えれば、個別株投資などで1つの銘柄しか保有しない場合、リバランスの必要はありません。

ポートフォリオとは、複数の性格を持つ資産を組み合わせ、構成を組むことを指します。ポートフォリオで運用することで、ある特定の資産にのみ依存するリスクをコントロールしながら安定的な収益を目指すことができます。

ポートフォリオ運用の代表例として挙げられるのが、私たちの老後に欠かせない年金です。年金の運用を行っているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)では、下記のようなポートフォリオが組まれています。

GPIF構成割合より作成

上図のように、GPIFでは4つの資産を均等に組み合わせていることがわかります。このようにポートフォリオを組むことで、万が一いずれかの資産価格が下がったとしても、資産全体への影響を小さくできるわけですね。

ポートフォリオについてさらに詳しくはこちら:「資産運用における『ポートフォリオ』の必要性とは?」作り方も合わせて解説します。

リバランスとは

ポートフォリオについて簡単におさらいしたところで、本題のリバランスについて触れていきます。

リバランスとはポートフォリオ運用における、「保有割合調整」のことです。

なぜ保有割合を調整する必要があるのかというと、それぞれの資産が、株価の動きや政治経済の情勢などによって常に変動しているからです。

つまり、今は設定した割合になっていても、ずっとその割合が保たれるわけではない、ということです。

より簡単にするために、図解を使ってみていきましょう。

上図のように、株式と債券を50万円ずつ購入したとしましょう。それが5年後には、下記のようになることも考えられます。

では、上図の状態の時に株式市場が暴落したら、資産全体への影響はどうなるでしょうか。保有割合の大きい株式が影響を受けるのですから、資産全体にも大きな影響を及ぼすかもしれません。このような状態から、理想の保有割合の状態に調整する作業、それがリバランスなのです。

リバランスが必要なとき

リバランスの役割は、「保有割合の調整」ということがわかりました。ではリバランスが必要なときとはどのような場合なのでしょうか。

<リバランスが必要な場合>

  • 複数の資産で運用しているが、長らく保有資産の状況を確認していない
  • 保有資産の価格に大きな変動があった
  • 変動率の高い資産を保有している

まず大前提として、複数の資産を保有しながら運用を行っている場合、リバランスの必要性が出てきます。そのうえで数年以上保有したまま放置しているのであれば、リバランスは速やかに行ったほうが良いでしょう。

さらに保有資産に関わる事象、例えば市場の大幅な高騰や下落が起きた際も、リバランスの必要性が高くなります。価格が変動するということはすなわち、資産の保有割合も変わるからです。

変動率の高い資産を保有している場合は放置すればするほど理想の保有割合からずれていくリスクが発生しやすいので、1年や半年などの頻度でリバランスを行う必要が出てきます。

リバランスのメリット

リバランスには、3つのメリットがあります。

<リバランスのメリット>

  • ポートフォリオの崩壊を防ぐ
  • 過度なリスクを防ぐ
  • パフォーマンスが改善される可能性がある

それぞれリバランスを行う意義に直結するため、1つずつご説明します。

ポートフォリオの崩壊を防ぐ

リバランスの最も大きな目的として、ポートフォリオの崩壊を防ぐという点があります。ポートフォリオの崩壊とはすなわち、ポートフォリオの持つ効果、保有資産の運用効果が発揮されなくなることです。

お伝えしたようにポートフォリオには、「リスクコントロール」「収益の安定」という2つの目的があります。しかしリバランスを行わないまま放置した場合、バランスが崩れてこれらの効果がなくなる可能性もあります。

特に長期投資においては一定期間ごとのリバランスを実施しなければ、ポートフォリオの崩壊に繋がりかねません。最適なバランスでポートフォリオを保持し続けることが、リバランスの大きな目的といえます。

過度なリスクを防ぐ

5年間資産を放置してしまい、以前は50万円ずつ保持していたポートフォリオが以下のような状態になったとします。

このような状態に気付かず株式市場が暴落した場合、非常に大きなリスクを背負うことになります。

特に株式は他の資産に比べると変動率が高いです。そのような資産の保有割合を一定以下の比率に抑えることが、リバランスにおいて重要なポイントになります。

リバランスには、上図のような高リスク状態を調整し、リスクをコントロールできるというメリットがあります。

パフォーマンスが改善される可能性がある

リバランスには、パフォーマンスの改善というメリットもあります。

パフォーマンスの良かった資産の利益を確定し、割安な資産に再投資を行うことで、さらなる収益が得られる場合があります。またリバランスのタイミングで各資産の運用成績を確認するため、「この銘柄よりもこちらに替えたほうが良いのか?」という気付きにもなります。

したがってあまり放置せず、一定期間を決めてリバランスを行うことが重要といえるでしょう。

リバランスの適したタイミングと具体的な方法

リバランスの重要性が理解できた段階で出てくる疑問が「いつ行うのか」という点です。

実はリバランスのタイミングに決まった時期というものは存在していません。例えば1年に1回最初の市場取引日に行う人もいれば、覚えやすいようにと自分の誕生日に行う人もいます。重要なのは放置することなく、定期的に保有割合とパフォーマンスを確認することです。

ただ、「いつでも良い」と言われると、困ってしまうかもしれません。そこで一般的にリバランスを行いやすいタイミングをご紹介します。

<リバランスを行うべきタイミング>

  • 半年や1年ごとで任意の日
  • 市場が大きく変動した時期
  • 余剰資金が生まれた時期

上記の時期を狙ってリバランスを行えば、より安定的に運用しやすくなります。

そしてリバランスの具体的な方法は、保有割合を見ながら「過剰になった資産を売る」「割安な資産を追加で買う」という2つの方法になります。それぞれ具体例を用いながらご説明していきます。

配分が増えすぎた資産を売却しバランスを整える

過剰になって配分が増えすぎた資産を売却し、資産全体の割合を整えます。下記の図をご覧ください。

上記では、株式の保有割合が非常に大きくなっています。このままでは資産全体の変動幅(リスク)が大きくなってしまうため、まずは投資額が少ないものを基準に当初のリバランスにリセットします。

すると、株式と債券の保有割合が半分ずつになり、変動幅を抑えることができました。すると、株式が150万円分残ります。

この150万円を当初のポートフォリオに沿う形で配分しようとするならば、株式から75万円を売却し、その75万円を債券に投資をすれば125万円ずつとなり、当初のポートフォリオの配分にリバランスすることができます。

このように過剰な配分になっている資産を一度リセットし、保有資産全体の配分を調整するのがリバランスの1つの方法になります。

資金の追加投入でバランスを整える

2つ目のリバランス方法は、資金の追加投入です。下記の図をご覧ください。

このようなポートフォリオになったとき、先ほど触れた「過剰になった資産を売却する」のではなく、「割安になった資産に資金を追加投入する」という方法でもリバランスが行なえます。

上図の場合、過剰になっていた株式は触らず、債券を追加購入することでリバランスを行っています。どちらの方法が良い、悪いというものではなく、あくまでも資産の保有状況や市場価格も考慮しながらリバランスを行うのが重要なポイントになります。

リバランスの注意点

前段では分かりやすく解説するため、1対1などの保有割合で図解してきました。しかし実際には、ポートフォリオは複雑な割合で組まれていることが多いです。下記の例をご覧ください。

上図は、例としてとある家庭の資産状況をポートフォリオとして図にしたものです。現預金や定期預金、金、投資信託などさまざまな資産が組み合わされているのがわかります。では今後の将来を見据えてリバランスを行う場合、どのようにすれば良いでしょうか。

おそらく多くの方は、「複雑すぎてわからない」「整理が大変」と感じるでしょう。そう、リバランスを実際に行うとなると、とても手間がかかります。また将来の値動きも想定しなければならないため、商品や相場などの知識も必要です。

このようにリバランスには、保有資産が多ければ多いほど手間がかかり、知識も必要であるという点に注意が必要です。

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