終活とは|終活の準備はいつから始めて何をすればいいの?
終活は、2010年の流行語大賞にノミネートされるなど大きなブームになりました。また、一過性のブームで終わることなく、現在でも雑誌やテレビ番組で定期的に終活特集が組まれるなど、私たちに定着した言葉になったのではないでしょうか。
一方で「終活を始めるのはもう少し歳を取ってから」とお考えになる方や「終活といっても、具体的に何をしたらよいのかわからない」とお悩みの方もいらっしゃいます。
当記事では、そもそも終活とは何か、終活は何のためにするのか、いつから始めて何をすればいいのかなど、わかりやすく解説します。
公開日:
更新日:2023.06.12
目次
終活とは
そもそも終活とは「人生の締めくくりを自分の望むように、自分自身で準備すること」「人生の最期を見越して行う活動」のことです。誰しも逃れられない人生の最期を悔いなく迎えるために、今までの生き方とこれからの人生を見直す活動ともいえるでしょう。
終活という言葉の成り立ちを確認しましょう。終活という言葉は、2000年代後半から注目されるようになり、2010年代に入って本格的なブームとなりました。
ブームとなった背景には、「少子化」「核家族化」などが関係していると言われています。少子化・核家族化・高齢化が進み、親の介護発生・相続等発生時に相談できる身内がいない家庭が増えました。
その結果、「子どもに余計な負担や迷惑をかけたくない」という親心から、自分の人生の最期を見越して自分自身で人生の終わり方を考える「終活」の関心が高まったといわれています。
また、子どものいない夫婦や独身者も少なくない世の中です。今後も終活ニーズはますます高まるものと思われます。
終活は何のためにするのか
・遺された人の負担を軽減するため
人は誰しも死から逃れることはできません。人が亡くなった際、遺された家族は気持ちの整理がつかないまま葬儀や死亡後のさまざまな手続きを行わなければなりません。しかし故人が生前に自身の終活を行っていれば、遺族の負担を軽減することができます。例えば、葬儀の際に連絡すべき故人の交友関係や、相続財産の整理に必要な情報がまとめてあれば、遺族は連絡や手続き等を進めやすくなります。「遺された家族の負担を軽減する」ことが、終活の最大の理由となっています。
・相続人間のトラブル防止
葬儀の段取りなど、準備をしていなかったことにより、相続人同士のトラブルに発展することもあります。無用なトラブルを避けることも、終活の目的の一つです。
・充実した老後生活を送るため
終活を行い、自分のこれまでの人生を振り返ってみた結果、自分が亡くなる前にやりたいこと・行きたい場所・家族のためにやっておきたいことなどがみつかることもあります。
これからの「充実した老後生活を送るため」に終活をする方もいます。
終活はいつから始めるべき?
それでは終活はいつから始めるべきなのでしょうか。
終活は何歳からでも始めることができますが、会社を定年退職し、子どもが結婚や独立したタイミングで始める人が多いです。
定年退職する時期は、第2の人生の始まりともいえるため、今後の人生を考えるうえでも気力や体力が十分にある良いタイミングといえるでしょう。
自営業者であれば、定年という考え方がないこともあり、70歳前後に終活を始める人もいます。その他、家族や身近な人が亡くなった時や、自分の孫が生まれた時など、人それぞれ終活を考えるきっかけがあるようです。
終活を始める年齢が決まっているわけではありませんので、思い立ったら始めてみても良いでしょう。
終活は何をすればいい?
終活でやるべきことを具体的に整理していきましょう。終活は1人で行うことが多いものの、ときには家族の意見も取り入れて円滑に進めるようにしましょう。
荷物を整理する
自分の身の回りのものを断捨離することです。家の中に使わないような不用品などがあれば処分や売却を検討しましょう。
またパソコンやスマホにあるデジタルデータは、遺したいものだけを選び、不要なデータは削除しておくとよいでしょう。月額課金などのいわゆるサブスクサービスも使わないものは解約しておきましょう。とくにサブスクサービスは気軽に加入できるため、家族が知らない状態で加入したままにしておくと、死後に解約などで手間がかかることがあります。必要なもののみ加入し、契約しているものはわかりやすくまとめておきましょう。
交友関係も家族と共有し、わかるようにしておきましょう。
資産・財産リストを作る
自分の財産を一覧表にまとめておくと、認知症等により自分で管理できなくなった時に備えることができ、亡くなった後の相続手続きにも活用することができます。
なお、認知症になると親族といえども銀行口座からお金を引き出せなくなる可能性もあるため、あらかじめ認知症を発症した際の備えを考えておきましょう。
銀行でできる認知症への備え:ちばぎん財産管理信託~家族で安心みまもり信託~|千葉銀行
医療や介護など「健康」について考える
万が一に備えて、自分が大きな病気や認知症などになった時に、どのような医療を受けたいか、また延命治療を望むかなどについて意思表示をしておけば、家族があなたのためにどのような治療方法を選択するか判断する指針となるかもしれません。
医療面でいえば、行きつけの病院や主治医の名前のほか、健康状態や、手術歴、持病、飲んでいる薬などをまとめておきましょう。介護面であれば、介護状態になった場合に自宅で過ごしたいのか、入所したい介護施設があるのかといった希望や、受けたい介護サービスなど、自分の意思をまとめておくと良いでしょう。
相続(遺言書)を準備する
どのように資産を引き継いでもらうかといった希望を示すために遺言書を作ります。遺言書は主に「自筆証書遺言」「公正証書遺言」の2種類があり、内容は変わらないものの作成方法が異なります。
自筆証書遺言は本人が自筆で作成したもので、日付や署名押印などのルールに沿っていれば法的効力を有する遺言書になります。公正証書遺言は公証役場に出向いて、公証人に作成してもらう遺言書です。作成に際しては2人以上の証人が必要です。
葬儀の準備や希望をまとめる
自分の葬儀を挙げてもらうために、どの葬儀会社に依頼し、どのような形式で何のプランで行うかなどの希望をまとめておきます。また葬儀に参列してほしい人をリストアップしておくことで、亡くなった後に家族がスムーズに手続きを進められます。
また、遺影に使う写真を事前に準備しておくと良いでしょう。
お墓の準備をする
お墓がすでにあれば、お墓がある寺院や、霊園の名称、住所、連絡先などを記載しておきます。もしお墓の跡継ぎがいなければ、墓じまいや改葬などの始末を検討する必要があるでしょう。
もしお墓がない場合には、埋葬の希望などを決めておく必要があります。菩提寺(ぼだいじ)や、霊園墓地、永代供養、樹木葬、散骨などです。また墓碑銘(ぼひめい)の希望なども記載しておきます。
「おひとりさま」にこそ終活は必要
終活をする理由の上位に「家族に迷惑をかけたくない」と挙がるように、終活は自分だけの問題ではありません。しかし、「おひとりさま」であっても終活は必要です。
終活をしないまま、おひとりさまが他界した場合、一般的には兄弟姉妹が財産を相続することになります。兄弟姉妹が他界している場合には、兄弟姉妹の子どもである甥や姪に代襲相続されるため、相続人となる甥や姪が複数いた場合、お互いに長い間会っていないケースや、そもそもお互いに面識がないケースも想定できます。
また、遺産を特定の個人や団体に遺贈する場合は、遺言書が必要となるため、どの遺産を誰に遺贈するかなどは遺言書等で準備する必要があるでしょう。
「おひとりさま」にこそ、終活は必要であることを認識しておきましょう。
「終活」はこれからの人生をより豊かに過ごす方法のひとつ
「終活」という言葉に悲しい印象を持たれたり、縁起でもないとして避けられることがあります。しかし限りある人生を充実させるための前向きな活動と捉えるのはいかがでしょうか。
もし終活を進めていくなかで、遺言や相続でお困りのことがあれば千葉銀行へご相談ください。千葉銀行では、「遺言信託」のサービスを提供しています。
千葉銀行の遺言信託なら、お客さまの財産内容を一覧表にして整理し、遺言書の作成から保管、そして相続発生後の相続手続きまでトータルでサポートします。お客さまの終活をより充実させることができますので、資料請求やお電話でのお問い合わせなどお気軽にご相談ください。
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